SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジン最適化という意味を持ちます。自社サイトを検索結果の上位に表示するための施策全般のことです。では、WebマーケティングにおけるSEOはどのような役割があるのでしょうか。本記事では、SEOの概要やWebマーケティングにおける重要性、具体的な施策7選などを解説します。
基本的なSEOについての概要記事についてはこちらをあわせてご確認ください!
SEOとは
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジン最適化という意味を持ち、自社サイトを検索結果上位に表示するための施策全般のことです。
一般的に、検索ユーザーは検索結果上位にあるWebサイトを閲覧する傾向があるため、自社サイトが検索結果上位に表示されれば、閲覧数の向上が期待できます。そのため、Webマーケティング施策のひとつとして、取り組む企業が増えています。
関連記事:【初心者から上級者まで】レベル別SEO本のおすすめ15選!ライティング対策にも
SEOで検索順位が決まる仕組み・流れ
SEOで検索順位が決まる具体的な流れは以下の通りです。
- クローラーがWebサイトを巡回する
- 各Webサイトの情報をインデックスする
- 検索エンジンが各ページを評価する
- 評価の高い順で検索結果に表示される
まず、クローラーと呼ばれるロボットが全世界のWebサイトを巡回し、情報を収集します。収集された情報はデータベースにインデックス(整理)され、ここではじめてWebサイトが検索結果に表示されるようになります。
そして、検索エンジンはユーザーの検索キーワードに応じて各ページを評価し、ユーザーの検索意図に沿ったページを上から順に表示するといった流れで検索順位が決まっています。
WebマーケティングにおけるSEOの重要性
SEOは、低コストかつ継続的な集客が可能なため、Webマーケティング施策のひとつとして重要視されています。
例えば、Webマーケティング施策のひとつであるWeb広告は、広告費を支払っている期間のみ広告が配信されるため、一時的な集客効果しか期待できません。
一方でSEOは、Webサイト構築・コンテンツ作成・管理などにコストが発生するものの、上位表示には費用が発生しないため、低コストでの集客を実現できます。
また、検索エンジンの評価基準が大きく変わらない限り、一度上位表示されれば検索順位の大きな変動もないことから、継続的な集客が可能です。
このように、SEOは低コストかつ継続的な集客を実現し、費用対効果に優れたWebマーケティング施策のひとつとして重要性が高まっています。
関連記事:SEO外注で注意すべきポイントとは? メリット・デメリットや費用相場も
WebマーケティングでSEOに取り組むメリット・デメリット
WebマーケティングでSEOに取り組むメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
メリット①集客にかかるコストを抑えられる
SEOによって一度上位表示されたページは、検索エンジンの評価基準が大きく変わらない限り、検索順位が大幅に変動することもほとんどありません。
広告の場合、配信している期間中は広告費が発生します。1か月50,000円かかるのであれば、半年で30万円、1年で60万円もの広告費が必要となります。
しかし、SEOは一度上位表示を獲得できれば、継続的な集客効果が期待できるため、広告を配信するときと比較して集客にかかるコストを抑えられるでしょう。
メリット②コンテンツが資産として残る
SEOに取り組んだWebサイト内コンテンツは、削除しない限り集客効果を生み出す資産として残り続けます。一度上位表示されたコンテンツには、大きな追加コストをかけることなく、安定した流入も期待できます。
また、SEOで上位表示されるような質の高いコンテンツを作成できれば、SEOに関するノウハウも資産となるでしょう。このように、コンテンツやノウハウといった資産が残る点もSEOに取り組むメリットのひとつです。
メリット③ブランディングにつながる
SEOで自社サイトが上位表示されるようになれば、ユーザーの目に留まる機会も増えるでしょう。複数のキーワードで上位表示されていれば、ユーザーに「前にもこのWebサイトを閲覧したことがある」と、自社サイトや自社サービスを認知してもらえます。
SEOによって自社サイトが上位表示されることで、ユーザーは「○○に関する悩みを解決してくれるWebサイト」と認知し、「○○に関するサービスはA社に頼もう」といったブランディング効果につながります。
デメリット①短期間での効果は期待できない
SEOによる上位表示や集客効果が表れるまでには、半年程度かかるといわれており、場合によっては1年以上かかることもあります。そのため、SEOは短期間で効果を出したい施策には向いていません。
SEOで効果を出したい場合は、中長期的な目線で地道に取り組むことが大切です。
デメリット②上位を維持できるとは限らない
SEOで一度上位表示されると、検索順位が大きく変動する可能性は低い反面、必ず上位を維持できるとも限りません。検索エンジンの評価基準がアップデートされたり、新たな競合サイトが登場したりすることで、検索順位が下落することも考えられます。
そのため、一度上位表示されたとしても、SEOに関する最新情報を収集しながらコンテンツの追加・更新をおこなうなどして、コンテンツの管理を怠らないよう心がけましょう。
SEOに関してはGoogleの考えをしっかり理解しておくのがおすすめです。以下の記事ではGoogleの5つの考えを解説しているのであわせて読んでみてください。
SEOの具体的な施策7選
SEOの具体的な施策7選は以下の通りです。
- 最適なキーワードを選定する
- キーワードとコンテンツ内容をマッチさせる
- タグを活用する
- 内部リンクを設置する
- マルチデバイス対応にする
- 表示速度を改善する
- SNSで発信する
1.最適なキーワードを選定する
SEOで上位表示を目指す場合、検索ボリュームが100~1,000程度のキーワードを選定しましょう。特定のキーワードで上位表示されたとしても、検索するユーザーがいなければコンテンツが閲覧されることもありません。
検索ボリュームが大きいほど、コンテンツを閲覧するユーザーの母数も大きいということです。ただ、検索ボリュームの大きいキーワードは、それだけ競合サイトも多く、上位表示される確率は少なくなります。
そのため、まずは検索ボリュームが100~500程度のキーワードから上位表示を目指し、それから検索ボリュームの大きいキーワードに挑戦するという戦略がおすすめです。
関連記事:SEOにおけるキーワード選定のポイント|重要性やおすすめのツールも
2.キーワードとコンテンツ内容をマッチさせる
コンテンツを作成する際は、キーワードからユーザーの検索意図を読み取り、検索意図に合った内容にすることが大切です。
例えば、「コーヒーメーカー おすすめ」と検索したユーザー向けに、コーヒー豆の選び方を紹介したコンテンツを作成しても、ユーザーは求める回答を得られないと別のWebサイトに移動してしまいます。
このように、キーワードとコンテンツ内容がマッチしていないとユーザーの離脱を招くほか、離脱が増えると検索エンジンからも「このWebサイトはユーザーに役立っていない」と解釈され、Webサイトの評価を落としかねません。
そのため、キーワードにどのような検索意図があるのかを考慮し、キーワードと内容がマッチしたコンテンツを作成しましょう。
3.タグを活用する
ページのタイトルや各見出しにはタグを活用しましょう。タグは、検索エンジンがコンテンツの内容を把握するのに役立ちます。
ページを巡回するクローラーはタグを通じてページの情報を収集しているため、タグが設置されていないと、コンテンツの内容を正確に読み取ってもらえない可能性があります。
とくに、検索結果に表示されるタイトルタグは必ず設置しましょう。タイトルタグがなければユーザーは検索結果画面でコンテンツの内容を正しく把握できません。
タグは以下のように記述します。タイトルや見出しごとに最適なタグを活用することが大切です。
内容 | タグ |
タイトル | <title>SEOとは?</title> |
h2(章などの中見出し) | <h2>SEOとは?</h2> |
h3(h2で内容を分ける際の小見出し) | <h3>SEOとは?</h3> |
h4~h6(h3の内容をさらに補足する際の小見出し) | <h4>SEOとは?</h4><h5>SEOとは?</h5><h6>SEOとは?</h6> |
※例文として「SEOとは?」を記載
4.内部リンクを設置する
Webサイトを閲覧していて「○○についてはこちらの記事で詳しく解説しています」といった内容で設置されているリンクを見たことはないでしょうか。このようなリンクが内部リンクです。内部リンクを設置することで、以下のような効果が期待できます。
- クローラーが自社サイト内を巡回しやすくなる
- ユーザーの滞在時間が長くなる
- ユーザーの回遊率が高まる
例えば、「SEOとは」と検索したユーザーが自社サイトでSEOの概要を理解したとき、次に「SEOの具体的な施策を知りたい」と考えたとします。
その際、ページ内に「SEOの具体的な施策について解説した記事はこちら」と内部リンクが設置されていれば、ユーザーは新たに検索することなく、自社サイト内で知りたい情報を得ることができます。
このように、内部リンクはユーザーが効率的に情報収集ができるため、滞在時間や回遊率に好影響を与えるでしょう。
もしブログやホームページを運営しているのにアクセスが増えないと悩んでいる方は、以下の記事も合わせて読んでみてください!(こういった内容で以下のように内部リンクを張ります。)
関連記事:ブログやHPのアクセス数が上がらない7つの原因【PV数を上げる10の方法】
5.マルチデバイス対応にする
Webサイトは、パソコン・タブレット・スマートフォンなど、さまざまなデバイスで閲覧されます。そのため、Webサイトをマルチデバイス対応にすることが大切です。
例えば、パソコン画面にしか対応していないWebサイトをスマートフォンで開いたとき、コンテンツの一部分が見切れたり、文字が小さくなったりして、ユーザーは「コンテンツを閲覧しにくい」と離脱してしまうかもしれません。
また、マルチデバイス対応は、「ユーザーの利便性を高める」と検索エンジンからの評価にも影響する要素です。したがって、各デバイス用のレイアウトを構築するなどして、どのデバイスで閲覧されてもユーザーが困らないようにしましょう。
6.表示速度を改善する
上位表示されたとしても、表示速度が遅いとユーザーの離脱を招いてしまいます。表示速度の目安は3秒以内といわれており、クリックから表示されるまで3秒以上かかる場合は、改善が必要です。
表示速度を改善する具体的な方法には以下の内容が挙げられます。
- 画像データを小さくする
- 不要なファイルを削除する
- テキストファイルを圧縮する
7.SNSで発信する
SEOで上位表示を目指すWebサイトを、運営しているSNSで発信することで、間接的な効果が期待できます。SNSで発信すると獲得しているフォロワーの目に留まったり、拡散されたりして、アクセス数が増加するでしょう。
アクセス数の多いWebサイトは、「多くのユーザーに役立っている」と検索エンジンが評価し、上位表示につながるという仕組みです。また最近ではサイテーションと呼ばれる、Webサイトでの言及についてもGoogleでの検索結果に若干ながら影響するのではないかと考えられています。
ただ、SNS上で起こったアクションが多いからといって、直接的にSEOに影響するわけではない点に注意しましょう。
SEO以外のWebマーケティング施策
SEO以外のWebマーケティング施策には以下5つが挙げられます。
- Web広告の配信
- SNSの運営
- LPや問い合わせフォームの最適化
- メールマーケティングの実施
- ウェビナー(Webセミナー)の開催
業界別のWeb集客方法についてはこちらの記事をあわせて読んでみてください!
Web広告の配信
代表的なWebマーケティング施策として、Web広告の配信が挙げられます。Web広告には以下のような種類があり、それぞれ特徴が異なります。
広告の種類 | 特徴 |
リスティング広告 | 検索キーワードに応じて検索結果の上部または下部に表示される広告。検索連動型広告とも呼ばれる。 |
ディスプレイ広告 | 検索エンジンのトップページやWebサイトの一部に設けられた広告枠に表示される広告。画像や動画を活用した広告も配信可能。 |
リターゲティング広告 | 一度自社サイトに訪問したユーザーを追跡し、再度同ユーザーに表示する広告。他のWebサイト内に設けられた広告枠でも自社の広告を配信でき、買い忘れやリピート購入に効果的。 |
SNS広告 | Twitter・Instagram・Facebook・LINE・YouTube・TikTokなど、各SNSプラットフォームに表示される広告。SNSユーザーによる2次拡散も期待できる。 |
Web広告には上記で紹介した以外にもさまざまな手法が挙げられます。Web広告はユーザーの目に留まる場所に表示できたり、ユーザーに合わせた広告を配信できたりするため、SEOに比べ短期的な効果が期待できます。
関連記事:【どれを活用する?】15つのWeb広告を徹底解説!広告運用で成果を出す為のポイントも
SNSの運営
SNSアカウントの運営は、ユーザーとの関係性を構築できるWebマーケティング施策です。
ライオン株式会社の例でいうと、人気商品「スーパーNANOX」の公式Twitterアカウントでは、「#NANOX相談所」というハッシュタグを活用し、洗濯に関する知識やお役立ち情報を発信しています。
このように、ユーザーの疑問や悩みに寄り添った情報を発信することで、ユーザーからの信頼やファン獲得に成功しています。
Webマーケティング施策として活用されるSNSには、Twitter・Instagram・Facebook・LINE・YouTube・TikTokなどが挙げられます。各SNSの特徴を活かした情報発信をおこなうことが大切です。
関連記事:SNSマーケティング戦略の手法とやり方を解説【成功事例あり】
LPや問い合わせフォームの最適化
Web広告やWebサイトから流入してきたユーザーに表示する「LP」や「問い合わせフォーム」を最適化することも、Webマーケティング施策のひとつです。
Web広告で魅力を伝えユーザーがせっかくLPまでたどり着いたにもかかわらず、どこから購入すればよいか分からないレイアウトだと、ユーザーは離脱してしまう可能性があります。
そのため、Web広告やWebサイトだけでなく、その先にあるLPや問い合わせフォームのレイアウト・導線を最適化し、効率的な集客を目指しましょう。
メールマーケティングの実施
メールマーケティングは一度自社商品・サービスを購入したユーザーや、メールアドレスの登録をおこなったユーザーに対して、定期的に情報を発信する手法です。
すでに自社商品・サービスを購入・検討したことのあるユーザーに対して実施する施策のため、リピート購入や購買行動促進に役立ちます。
例えば、メールマガジンでセール情報を知らせることで、「この前の商品が安く購入できるなら今のうちに購入しよう」とリピート購入を促せるでしょう。このように、すでに接点のあるユーザーの購買行動を促進させるのに効果的な施策です。
ウェビナー(Webセミナー)の開催
ウェビナーとは、「Web」と「Seminar」を組み合わせた言葉で、Webでおこなうセミナー全般を指します。セミナー・講演会・商品紹介・求職者向け会社説明会など、さまざまな目的で開催されています。
ウェビナーの配信方法としては、リアルタイムでおこなう「ライブ配信」と、事前に作成した動画を配信する「オンデマンド配信」の2つがあります。それぞれのメリットは以下の通りです。目的に合わせて配信方法を選びましょう。
- ライブ配信:参加者とコミュニケーションをとりかながら進行できる
- オンデマンド配信:参加者が任意のタイミングで動画を視聴(参加)できる
オフラインに比べウェビナーは、時間や場所に制限されず、かつ低コストで開催できることから、ウェビナーをWebマーケティング施策として取り入れる企業は増えつつあります。
SEOは重要なWebマーケティング施策のひとつ
SEOは、低コストで継続的な集客を実現するWebマーケティング施策のひとつです。一度検索上位を獲得できれば、検索順位が大きく変動することはほとんどないため、安定した流入が期待できます。ただ、SEOの効果が感じられるのは半年~1年以上かかることも珍しくありません。そのため、SEOには中長期的な目線で取り組むことが大切です。