PDCAサイクルは古い?PDCAに代わるPDRやOODAも活用すべき理由とは

PDCAサイクルとは
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事業の改善に役立つフレームワークとして有名なPDCAサイクルですが、近年では、「もう古いのでは?」といった声や「改善の仕方が分からない」「うまく機能しているのかわかりにくい」といった声も耳にします。

そこで本記事では、PDCAサイクルの取り組み方やメリット、うまく回すポイントなどを改めて解説します。具体的な活用事例や、PDCAに代わる新しいアプローチ「PDR」や「OODA」も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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PDCAサイクルとは?

参照:農林水産省

PDCAサイクルの「PDCA」とはどういった意味なのでしょうか。PDCAとは、品質管理の父「W・エドワーズ・デミング」が提唱したフレームワークです。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返し実践する(サイクル)ことで、継続的な業務の改善や品質向上を促す方法として、さまざまな現場で採用されてきました。

PDCAに取り組むメリット

PDCAサイクルのメリットは、「明確化した目標に向かって改善へのアクションを実行できる」という点です。具体的には次の3つが挙げられます。

・向かうべき目標と必要なタスクを明確にできる

PDCAサイクルには「Plan(計画)」が含まれており、かならず最初に向かうべき目標(達成したいこと)と、タスク(達成したい状態になるために必要な課題)を明確化します。目標がなければタスクを洗い出せません。タスクがなければ、実行フェーズには移行できません。

・タスクが洗練されていく(無駄をはぶける)

計画が最初にくるため、実際に実行してみると、無駄な作業や必要ない道具があることに気が付きます。PDCAサイクルでは、こうした必要なものと不必要なものを精査しながら、少しづつ業務を進めていきます。「目標を達成するために、なにをどうすべきか?」といった視点が生まれるため、具体策を検討しやすく、実際の取り組みのなかでも改善点が見つかりやすいフレームワークです。

・継続性がある

PDCAサイクルは目標を明確に設定し、トライ&エラーを繰り返しながら実践していくフレームワークのため、継続性が必要なプロジェクトやゴールまでの道のりが長い目標に向いています。

PDCAの具体的な取り組み方

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の各フェーズを継続的に繰り返すことで、目標達成を目指すフレームワークです。具体的には、以下のようなステップで進めていきます。

まず、計画(Plan)フェーズで、改善すべき課題や目標を明確に設定し、改善方針や目標達成のための具体的なアクションプランを策定します。

つぎに計画に基づいた実行(Do)を行います。同時にデータを収集しながら、問題点があれば改善方法を模索します。チームの協力やコミュニケーションが重要であり、アイデアの実装や実践的なテストを行うのもこのフェーズです。

振り返り(Check)フェーズでは、実施した改善策の効果や成果を評価します。データの収集や分析により、改善の進捗状況や目標達成度の確認もこのフェーズです。定量的な評価だけでなく、関係者のフィードバックや意見も参考に、方向性や修正点を洗い出します。

行動(Act)フェーズでは、振り返りの結果をもとに、さらなる改善策や修正を行います。得られた知見や学びを次のサイクルに活かし、継続的な改善を進めます。PDCAサイクルをしっかりと回していくための計画と行動が大切です。

PDCAサイクルを上手く回して改善する為のポイント

PDCAをうまく回して改善する方法

PDCAサイクルをうまく回していくためには、次の3つのポイントがあります。

明確な目標と具体的な行動プランを立てる

PDCAサイクルを上手く回していくためには、明確な目標設定と、具体的な行動プランが非常に重要です。目標は「具体的か」「測定可能か」「達成可能か」「関連性があるか」を明確なものにする必要があります。計画に落とし込む場合は、具体的なアクションステップ、担当者の役割や責任などを明確に定めましょう。

しっかりとコミュニケーションをとる

実行も改善も単独では行えません。とくに組織でPDCAサイクルを実践する場合は、関係者やチームの積極的な参画とコミュニケーションが重要となります。各意見やアイデアを収集し、多様な視点を反映させることで、より有益な改善策が導き出せるほか、良好なチームワークを構築することで、質の高い成果にも繋がるでしょう。

継続的な学習と改善文化を作る

PDCAサイクルは継続的な改善を促すフレームワークです。成功や失敗に関わらず、定期的な振り返りと学習を行うことが重要となります。改善の結果を評価し効果を確認し、つぎのサイクルに活かせるような組織づくりを目指しましょう。

【具体例】PDCAサイクルの活用事例

PDCAサイクルは、さまざまな企業で導入されています。それぞれの事業形態や規模に合わせてアレンジされ、成果を出している具体例を、本記事では3つ紹介します。

トヨタ生産方式

トヨタ生産方式」は、自動車メーカーのトヨタがムリ、ムダ、ムラを徹底的に排除し、生産性と品質を高めるために考案した生産手法です。自動車産業だけでなく、世界中の製造業や非製造業にまで導入されています。

Plan(計画)では、Just-in-Time生産やカンバン方式を導入し、生産工程や資源の最適化を目指します。Do(実行)では、計画に基づき生産を行い、ムダの排除や品質向上に注力します。Check(確認)では、不良品の発生や作業中に問題の兆候があればラインを停止。現場作業員が支援を要請し、責任者と一緒に問題を改善します。Act(改善)では、改善策や気付きなどを現場作業員や責任者、技術者などが一緒に話し合います。つねにラインを稼働しながら行うのは非常に難易度の高い作業のため、「ムリ、ムダ、ムラ」の排除の徹底が重要です。

参照:トヨタ生産方式

無印良品

無印良品のPDCAサイクルは「Do(実行)」を重視する点が最も特徴的です。実行ありきでDからスタートしC、A、Pの順でサイクルを回します。実行ベースで目の前のやるべきことから手を付けはじめ、そこから振り返り、改善策を見つけ、計画に落とし込んでいくという流れです。

また、無印良品は店舗運営をPDCAサイクルに沿ってマニュアルに落とし込みました。全店のアピアランスは保ちつつ、店舗によって条件が変化していくのがお店です。PDCAサイクルを回した成果を、「つねに変化し続けるマニュアル」にすることで、定着させていったそうです。

参照:https://www.strategic-process.jp/business_books016

ソフトバンク

国内の携帯電話キャリア・ソフトバンクのPDCAサイクルは、「ソフトバンク3原則」と掛け合わせている点が特徴です。「ソフトバンク3原則」とは、「① 思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する」、「1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する」、「目標も結果も、数字で管理する」の3つです。

従来のPDCAサイクルでは、計画してから実行という流れですが、ソフトバンクは、思いついたアイデアや実行すべきタスクは、計画の時点で同時に進めます。目標設定とレビューも1日ごとに行い、目標と結果は常に定量的に管理することで、とてつもない速さで成長してきた企業がソフトバンクです。

参照:https://kigyotv.jp/news/pdca-softbank/

PDCAサイクルは古い?PDCAに代わるPDRやOODAとは

PDCAに代わるPDRとOODA

1950年代に考案され、今日までさまざまな企業やプロジェクトで導入されてきたPDCAサイクルですが、近年では現場で使うフレームワークとしてはもう古いのではないかという声も見かけます。ここでは、PDCAサイクルが古いと言われる理由や、PDCAに代わるものとして注目され始めている「PDR」と「OODA」を紹介します。

関連記事:鉄板のマーケティングフレームワーク12選!使い分けや実行方法まで解説

PDCAが古いと言われる理由

PDCAサイクルが古いと言われる最も大きな理由は、「Plan(計画)」に時間がかかりすぎてしまい、現代のビジネスのスピード感に合わなくなってきているというものです。IT技術の進化に伴い、消費者のニーズや価値観、市場のトレンドはかつて無いほどの速さで変化しています。スピードもしっかりと重視しないと、競合他社に遅れてしまい、生き残れない時代です。

目標を定める「Plan(計画)」とは、ゴールを確実にするものとして有効な方法ですが、IT技術の発展により、未来が予測しにくい状態を作り出しています。ゴールがどこかわからない現代では、「Plan(計画)」の在り方も見直さなければならないのかもしれません。

そこで近年注目されているのが、「PDR」や「OODA」といった手法です。

スピード重視「PDR」とは

PDRフレームワーク

「PDR」とは、ハーバードビジネススクールの教授リンダ・ヒルが提唱した新しいフレームワークです。「Prep(準備)」「Do(実行)」「Review(評価)」の頭文字をとったもので、PDCAに比べ1回のサイクルは短く、「Plan(計画)」もありません

Prepは、これから実行する行動の準備をするフェーズです。直接的な数字や明確なゴールを設定しない点がPDCAと大きく異なる点でしょう。Doは文字通り、実行フェーズです。Pで準備したものに沿って実行します。Reviewは、Check(評価)と似ていますが、実行したタスクの振り返りです。

PDRは、常に改善し実践し続けることが目的であり、PDCAのように目標達成が目的にはなっていません。ソフトバンクの「計画と実行を同時に行う」や無印良品の「実行からスタートする」にも似ていますね。

変化に強い「OODA」とは

参照:厚生労働省:生産性&効率アップ必勝マニュアル

OODA(ウーダ)とは、アメリカの軍事戦略家であるジョン・ボイドによって提唱されたフレームワークです。Observe(観察)、Orient(方向付け)、Decide(決定)、Act(行動)という一連のプロセスを指す戦術的意思決定サイクルです。「OODAループ」とも呼ばれており、素早く、柔軟性に富んだ意思決定と行動を可能にするとされています。

Observe(観察)では、現状や環境を把握し、情報収集や分析を行います。Orient(方向付け)では、収集した情報を過去のデータや経験から参照し、方向性を模索します。Decide(決定)では、具体的なアクションプランを策定します。Act(行動)では、決定したプランを実行し、結果を観察します。

OODAは素早い意思決定と行動により、市場における競争優位性の確保や、周囲への対応速度の向上に適しています。明確なゴールを設定しない点はPDRと似ていますし、ReviewもCheckもありませんが、このサイクルを素早く回し続けることで、適応性や柔軟性を持ったプランニングと実行が可能となります。

PDCAサイクルをマーケティングに役立てよう!

PDCAサイクルと、それに代わる「PDR」や「OODA」について解説してきました。どの方法論も一長一短であり、どれが優れているというものではありません。組織や事業に合わせて適切なものを選び、実践していくことが大切です。

PDCAサイクルをはじめとした各種フレームワークは、マーケティングにも役立ちますので、事業の成長促進に取り入れてみてはいかがでしょうか!

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この記事を監修した人

株式会社SOHAのアバター 株式会社SOHA CEO 代表取締役

Webマーケティングを行う企業です。コンテンツマーケや広告運用はもちろん、ブランディングや戦略の立案まで支援いたします。SE、ITコンサルの経験を活かした経営者視点でこれまで業種業界問わず多くの企業のマーケティング支援を行ってきました。本メディアではこれまでの経験をもとに、マーケティングに関わる情報について発信いたします。

マーケティング歴は7年ほど。日本マーケティング学会会員。

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