SNSを活用しておこなうSNSマーケティング。SNSの利用率が高い現代では欠かせないマーケティング手法となりつつあります。そこで、本記事ではSNSマーケティングの5つの施策と取り組むべきSNS媒体、各SNSの特徴まで詳しく解説していきます。
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SNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、SNSを活用しておこなうマーケティング手法の総称です。具体的には、企業が自社のSNSアカウントを運営したり、SNS上に広告を出稿したりすることなどが挙げられます。手法によっては無料で始められることから、取り組む企業も増えています。
SNSマーケティングで活用される6つのSNS
SNSマーケティンで活用されるSNSとそれぞれの特徴に触れていきます。
Twitter|高い拡散力と優れたリアルタイム性
Twitterはテキストをメインに画像や動画などを投稿できるSNSです。日本における利用者は多く、アクティブユーザーだけで4500万人にものぼります。
Twitterは拡散力が高く、「バズる」と爆発的な拡散が期待できます。その反面、炎上するリスクも高い点に注意が必要です。また、Twitterはリアルタイム性に優れているため、トレンドを知るための情報収集にも活用できます。
Instagram|画像や動画での訴求に効果的
Instagramは画像や動画をメインとして投稿するSNSです。そのため、飲食やファッション、インテリア・不動産など、視覚的に訴求したい商品・サービスにおすすめです。
Instagramの親会社がFacebookであることから、ユーザー情報から精度の高いターゲティングを活用した広告の配信もできます。
Facebook|精度の高いターゲティングが可能
Facebookは世界での利用者数トップを誇る、実名登録制のSNSです。学歴や職業、役職などさまざまなユーザー情報が登録されるため、精度の高いターゲティングを活用した広告を配信できます。
世界中で利用されていることから、海外向けのマーケティング効果が期待できるでしょう。また、国内におけるFacebookの利用者層は30代~40代と年齢層が高い傾向にあります。そのため、管理職や経営層へのアプローチに効果的でしょう。
LINE|国内の利用者数No.1
LINEは国内での利用者数が最も多いSNSで、コミュニケーションツールとして利用されています。他のSNSを使っていなくても、LINEは使っているというユーザーへアプローチできます。
LINEの公式アカウントは、各ユーザーとクローズドでつながれるため、企業が個人とつながれる点が魅力です。若年層から高齢者層まで利用されていることから、幅広いユーザーへアプローチできるでしょう。
YouTube|動画での訴求に効果的
YouTubeは動画配信プラットフォームであり、公式チャンネルの開設や広告配信などで活用できます。画像や短い動画では伝えきれない企業や商品・サービスの魅力を、動画で伝えられるというメリットがあります。
また、YouTubeの親会社はGoogleであることから、さまざまなデータを活用した広告配信が可能です。
TikTok|若年層への訴求に最適
TikTokは主にショート動画を配信するプラットフォームで、アプリ起動時やコンテンツの一部のように広告を配信できます。
公式アカウントを運用するのであれば、オリジナルの投稿だけでなく、音源やダンスなどトレンドに合わせた投稿をすることで親しみやすさをアピールできるかもしれません。
また、TikTokは10代の若年層で利用率が高い傾向にあります。そのため、若年層向けの商品・サービスを提供する企業に向いているSNSです。
SNSマーケティングの活用が重要になっている理由
近年、SNSマーケティングの重要性は高まっており、その背景にはSNSの利用者が増加していることが挙げられます。
消費者は商品・サービスを購入する際、これまでは主に検索エンジンで情報を収集していました。しかし、ここ数年では検索エンジンより先にSNSで検索する傾向があります。そのため、SNSマーケティングを実施することで、SNSからの流入や購入のきっかけを作る必要が出てきたのです。
また、モノやサービスが溢れる現代で、各企業は自社を選んでもらうためにさまざまな方法でアプローチする必要があります。そのひとつとして、SNSは拡散力に優れていることから、積極的に取り組む企業が増加しつつあるのです。
5つのSNSマーケティング施策
SNSマーケティングには具体的に5種類の手法があります。それぞれの手法について1つずつみていきましょう。
①SNSアカウントの運営
1つ目は、自社のSNSアカウントを運営する手法です。
企業の公式アカウントで商品・サービスや企業の情報を発信したり、ユーザーとコミュニケーションをとったりすることで、顧客との接点を増やし、関係性を構築します。商品・サービスのアプローチだけでなく、企業のブランディングにもつながるでしょう。
また、SNSアカウントを作成するのにはコストがかからないため、始めるハードルは低いです。しかしその反面、投稿の内容によっては炎上するリスクもある点に注意が必要です。
②SNS広告の配信
2つ目は、SNS上で広告を配信する手法です。テキスト形式だけでなく画像や動画など、さまざまな広告のタイプがあります。SNS広告は、SNS内コンテンツの一部に自然な形で表示されるため、ユーザーに嫌われにくいという特徴があります。
また、各ユーザーがSNSに登録した情報や投稿内容などの情報から、精度の高いターゲティングも可能です。そのため、興味関心のあるユーザーへアプローチしやすいでしょう。
③インフルエンサーマーケティング
3つ目は、インフルエンサーマーケティングで、インフルエンサーに自社の商品・サービスを紹介してもらうという手法です。影響力のあるインフルエンサーを起用できれば、インフルエンサーのファン層の購買行動を促進できるでしょう。
また、インフルエンサーの投稿は拡散力もあるため、ファン層にとどまらず幅広いユーザーに届けられる可能性もあります。
④SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、SNS上でユーザー参加型のキャンペーンを実施する手法です。フォローやいいねをすることで抽選でプレゼントがもらえたり、「#○○をつけて投稿」といったSNS上でのコンテスト開催などが挙げられます。
商品・サービスの認知度向上につながるほか、自社アカウントのフォロワー獲得も期待できます。
⑤ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングは、SNSを通じてユーザーの意見を収集する手法です。
- 自社の商品・サービスの活用方法
- 実際に使った感想・意見
- 自社に対するイメージ
上記のような内容を収集することで、ユーザーの生の声を把握できます。収集できた意見は、次のマーケティング施策に活かせるでしょう。
SNSマーケティングを活用するメリットと期待できる効果
SNSマーケティングを活用するメリット・効果を3つ紹介します。
認知度を向上できる
SNSには情報拡散力があるため、企業や自社商品・サービスの認知度向上が期待できます。Webサイト運営やオフライン営業以外での認知経路となります。
ユーザーにとって有益な情報を発信したり、キャンペーンを実施したりするなど、フォロワーが拡散したいと思える投稿を継続することが大切です。Twitterであれば「リツイート」や「引用リツイート」といった機能により拡散されやすい仕組みになっています。一方でInstagramはTwitterのような拡散の仕組みは無いものの、投稿自体を保存して後で見返したり、友人に直接投稿を共有して会話をするといった使われ方が一般的です。
また、SNSマーケティングで企業の認知度が向上すれば、ブランディング効果も期待できるという点もSNSを活用するメリットの一つと言えます。
顧客とよりよい関係性を築ける
SNSはユーザーとの距離感が近いという特徴があるため、関係性を構築するにも効果的です。ユーザーのコミュニケーションをとっていくうちに、ユーザーが「親しみやすい」と自社のファンとなるかもしれません。
Twitterではリプライで気軽にユーザーと会話をすることができ、大手家電メーカーさんなどでもTwitterでの集客に成功している例は多くあります。Instagramではストーリーを使ったアンケート機能やリアクション、DMといった機能で積極的に顧客とコミュニケーションを取ることが可能です。
もちろん、自社の商品・サービスを知らなかったユーザーを、SNSアカウントでの接点をきっかけに新規顧客として獲得できる可能性もあります。また、日頃からコミュニケーションを取っておけば、実際にユーザーが商品を使った際などに、自主的に自らのSNSで拡散してくれるUGC(ユージーシー)も期待できます。
このように、SNSマーケティングでは顧客との関係性構築に向いているのです。
情報伝達にスピード感がある
SNSアカウントに投稿した内容は、即座にフォロワーへ届くため、情報伝達にスピード感があります。
マス広告であれば広告の作成から配信までに時間がかかり、オフライン営業では一度に多くの顧客へ情報を届けることが困難でした。しかし、SNSは投稿するだけでリアルタイムかつ世界中のユーザーへ発信できます。そのため、効果や反応を得られるまでの時間も早いでしょう。
SNSマーケティング活用を成功させる3つのコツ
SNSマーケティングを成功させるためのコツを3つ紹介します。
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ターゲットを明確にする
SNSマーケティングでは、ターゲットを明確にする必要があります。各SNSでは利用者層が異なり、自社アカウントで投稿する内容もターゲットによって訴求方法が違ってくるでしょう。
ターゲットが曖昧だと、適切なSNSを選定できず、ユーザーが興味のないコンテンツを投稿するかもしれません。これでは、SNSマーケティングの効果は得られないでしょう。そのため、ペルソナを設定し、具体的なターゲットをイメージすることが大切です。
自社商品・サービスを届けたい人物像をイメージできた状態で、活用するSNSや投稿内容を決めましょう。
PDCAを回し続ける
SNSマーケティングは、自社アカウントの開設や一度の投稿で効果を発揮するわけではありません。そのため、アカウント開設後も定期的に更新し、効果検証を続けていくことが大切です。
「どのような投稿でどのような反応を得られたのか」「配信した広告で得られた成約数はいくつだったのか」など、施策に対する効果を検証します。
SNSマーケティングは長期的に取り組まなければなりません。短期間での効果は期待せず、PDCAを回し続けることで徐々に効果が発揮されることを理解して、SNSマーケティングに取り組みましょう。
SNSを運用する際のルールを設ける
SNSでは一度炎上してしまうと、信頼を失ったり企業のネガティブな情報が拡散されたりします。そのため、炎上することがないようSNSを運用する際のルールを設けましょう。
- 投稿内容のダブルチェック
- 禁止ワードリスト
- マニュアルの作成
上記のように、ユーザーにとって不快な内容でないかをチェックする体制を整えることが大切です。ただ、炎上は予期せず起こります。したがって、炎上した際の対応についても対策をとっておきましょう。
SNSマーケティングの活用まとめ
SNSを活用するSNSマーケティングは、SNSの利用者数が増え続ける現代で重要なマーケティング手法です。ただ、SNSの種類によって利用者層が異なるうえに、SNSマーケティングのなかにも5つの種類があります。そのため、自社商品・サービスやターゲットを明確にしたうえで、最適なSNSを選定し、ターゲットに適した投稿内容でSNSマーケティングをおこないましょう。