スマートフォンを当たり前に持つようになった現代では、Twitter・Instagram・facebook・TikTokさまざまなSNSが利用されています。そして、SNSを利用したマーケティングを行う企業も増えてきました。では、SNSをどのように活用すれば、効果的なマーケティングが行えるのでしょうか。本記事では、SNSマーケティングの概要や重要性をはじめ、活用される主要SNSや成功事例9選まで詳しく解説します。
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SNSマーケティングの成功事例9選
早速今回の記事のメインとなる、SNSマーケティングの成功事例9選を紹介します。事例を参考にしながら、効率的にSNSマーケティングの戦略を立てていきましょう。
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Twitterを活用した事例|ライオン
ライオンは、人気商品「スーパーNANOX」のTwitter公式アカウントを運営しており、現在のフォロワー数は約13万人にものぼります。
同アカウントでは「#NANOX相談所」というハッシュタグを活用し、洗濯に関する知識やお役立ち情報を発信しながらユーザーとコミュニケーションをとることで、ユーザーの悩みに寄り添ってきました。
こういった、ユーザーとのコミュニケーションが、自社商品のファン育成やリピーターの獲得につながっています。
Twitterを活用した事例|ローソン
ローソンのTwitterアカウントでは、ローソンクルーのあきこちゃんという公式キャラクターが情報発信を行っています。大手コンビニ3社のTwitterアカウントのなかでも、約750万人と最も多いフォロワー数の獲得に成功しています。
ローソンがTwitterで主に行っているのは、フォロー&リツイートでスイーツなどの無料券を配布するキャンペーンの開催です。定期的に開催されるキャンペーンにより、多くのフォロワーを獲得するだけでなく、店舗への来店も促進しています。
Instagramを活用した事例|日本航空(JAL)
日本航空(JAL)は、ラグビー日本代表チームの応援とブランドメッセージの発信を目標に、スポーツイベントに合わせてInstagramのストーリーズ広告を展開しました。
より多くのユーザーの興味を惹けるよう、著名なアスリートを起用したり興味を引き起こすようなコンテンツを作成したりするなどの工夫を加えた広告を配信した結果、1000万人以上のユーザーへのリーチに成功したといいます。
Instagramを活用した事例|KENZO
KENZOは、Instagramの公式アカウントで217万人以上のフォロワーを獲得しています。ブランドのイメージを表現するような、スタイリッシュかつ独自の世界観を持った投稿を続けることで、ユーザーの興味を惹いているのでしょう。
また、Instagramのショッピング機能を活用することで、InstagramからECサイトへと直接誘導している点も、ユーザーの購買行動促進につながっています。
Facebookを活用した事例|ドミノ・ピザ
ドミノ・ピザはFacebookをはじめ、さまざまなSNSを活用したマーケティングに成功している企業のひとつです。Facebookでは、焼きたてピザの写真や動画を投稿し、視覚でピザの美味しさをアピールしています。
また、夕食を作る時間帯を狙ってお持ち帰りピザを訴求する投稿を行うなど、ユーザーの「今日はご飯を作りたくないなぁ」といった感情を揺さぶる発信によって、購買行動の促進に成功しています。
Facebookを活用した事例|ハーゲンダッツ
大々的にテレビCMなどでPR活動を行っていたハーゲンダッツですが、テレビ離れへの対抗するべく、SNSマーケティングに注力するようになりました。ハーゲンダッツはFacebook・Twitter・Instagram・LINEの4つのSNSを活用したマーケティングを行っています。
そして、ハーゲンダッツの特徴は、SNSごとの特性に合わせたマーケティングを行っている点です。
- Facebook:公式情報を発信
- Twitter:「速報」となる情報を発信
- Instagram:商品情報などをオシャレな写真で発信
- LINE:定期的なお知らせなどを発信
ハーゲンダッツはBtoC商品であることから、ビジネス利用するユーザーが多いFacebookでは、公式情報のみを発信するようにしました。このように、SNSを使い分けることによって、さまざまなSNS媒体からの集客に成功しています。
YouTubeを活用した事例|Indeed
Indeedは、人気漫画『ワンピース』とのコラボCMをテレビで放送しました。このテレビCMが大きな話題を集めたため、YouTubeでテレビCMの長尺版を投稿し、「もっと見てみたい」というユーザーをYouTube経由で取り込むことに成功したのです。
また、このSNSマーケティング成功の背景には、求人情報サイトを利用する年齢層とコラボした漫画の読者層を合わせた点も挙げられます。具体的なターゲット層をとらえ、ユーザーの興味を惹くコンテンツを制作したことが成功のカギを握ったといえるでしょう。
LINEを活用した事例|オルビス
オルビスはスキンケア商品を取り扱う企業で、ユーザーとダイレクトにコミュニケーションがとれるLINEを活用したマーケティングを行ってきました。公式アカウント開設当初は無料スタンプを配布することで友だち追加を促進させたといいます。
そして、現在の友だち数は3400万人を超えており、定期的なメッセージ配信やチャットで自社商品をアピールすることで多くの新規顧客獲得に成功しています。
ほかにも、オンラインショップで利用できるポイントを抽選で付与するキャンペーンの開催など、LINEを通じたファン育成にも力を入れている点が成功の要因となっているといえるでしょう。
出典:LINE「オルビス | LINE Official Account」
TikTokを活用した事例|グリコ
大手お菓子メーカーであるグリコは、人気商品「ポッキー」のTikTokアカウントを開設しました。アカウント開設後は、ポッキー&プリッツの日である11月11日に合わせてイベントを定期的に開催しており、主なイベント内容は以下の通りです。
- 「#ポッキー何本分体操」というハッシュタグをつけて動画を投稿
- 選出された動画は、渋谷の街頭ビジョンやTwitter公式アカウントに掲載
このイベント開催により若者のあいだで拡散され、商品を使って動画を作成しようとした若者によって売上がアップしただけでなく、商品イメージの認知拡大にもつながったといえます。
そもそもSNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、SNSを活用したマーケティング手法のひとつです。SNSを通じて顧客とコミュニケーションをとることで、ブランディング・集客・ファンの育成などにつなげていきます。
例えば、Twitterの自社アカウントで新商品に関するツイートをした場合、フォロワーに新商品を認知してもらえます。フォロワーがいいねやリツイートを行えば、さらに幅広いユーザーのもとに情報が届くでしょう。
このように、SNSマーケティングはSNSを通じた顧客とのコミュニケーションによって、さまざまな効果を生み出すという特徴があります。
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SNSマーケティングの重要性が高まっている理由
SNSマーケティングの重要性が高まっている背景には、SNS利用者数の増加が挙げられます。情報収集を行う際、これまではGoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索するのが一般的でした。しかし、現代ではまずはじめにSNS上で検索を行う傾向があります。
また、ICT総研の調査によると、日本におけるSNS利用者数は2021年末時点で8149万人でした。この数字は国内ネットユーザーの80.2%もの割合にあたります。そして、2024年末には、SNS利用者数が国内ネットユーザーの83.2%にあたる8388万人に達すると予測されています。
このように、SNSを利用するユーザーが増え続けており、SNS上に多くのユーザーが存在していることから、SNSを通じたマーケティングの重要性が高まっているのです。
出典:ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
SNSマーケティングで活用される人気のSNS
SNSマーケティングでよく活用されているSNSを紹介します。
Twitter|拡散力とトレンド性が強み
Twitterは140字以内のテキストにくわえ、画像や動画などを投稿できるSNSです。実名だけでなく匿名での利用も可能なため、現実の交友関係だけでなく芸能人や趣味の合うユーザーなどともつながる傾向があります。
Twitterは、拡散力とトレンド性に優れている点が強みです。例えば、新商品情報をツイートした場合、フォロワーからいいねやリツイートをしてもらうことで情報が拡散され、フォロワーに限らず幅広いユーザーのもとへ情報が届けられます。
また、一度で発信できる情報が少ない反面、情報発信の気軽さからリアルタイム性が高いため、トレンドを追ったり話題を作ったりするのに向いているでしょう。
Instagram|写真や動画などの視覚的なアプローチが得意
Instagramは写真・動画の投稿や閲覧をメインとするSNSです。近年では、投稿だけでなくストーリーズやリールなど、さまざまな機能を利用するユーザーも増えています。女性ユーザーの割合が多い点も特徴です。
Instagramは写真や動画を使った視覚的なアプローチが得意なため、ファッション・ライフスタイル・美容・飲食系などのジャンルと親和性が高いといえます。
例えば、化粧水を売りたい場合、インフルエンサーに商品を使用してもらい、感想とともに写真をInstagramに投稿してもらうことで、フォロワーの購買行動を促せるでしょう。このように、Instagramは視覚的なアプローチが向いている商品・サービスにおける活用がおすすめです。
Facebook|世界最大のユーザー数
Facebookは世界最大のユーザー数を誇り、そのユーザー数は29億人にものぼるといいます。原則として実名登録であることから、現実で交友関係のあるユーザー同士やビジネスパーソンの利用が多いという点が特徴です。
ほかのSNSと比べて匿名性が低いため、企業の姿勢や取り組みに関する公式情報の発信に向いているでしょう。ビジネス目的で利用するユーザーも多いため、BtoC事業よりBtoB事業を行う場合のSNSマーケティングにおすすめです。
YouTube|1回の利用時間が長いという特徴
YouTubeは動画の投稿や視聴をメインとするSNSです。アカウント登録をしなくても動画の視聴が可能で、YouTubeに投稿される動画は少なくとも数分以上あるものが多いため、1回のSNS利用時間が長いという特徴があります。
YouTubeを活用したマーケティングには、動画投稿者とのタイアップや動画内に挿入する広告などが挙げられます。例えば、動画の途中で広告を挿入すれば、動画の続きを見たいユーザーに一定時間広告を視聴してもらえるため、高い効果が期待できるでしょう。
LINE|幅広い年齢層のユーザーが利用
LINEは、メッセージツールとして日常的な連絡などに利用されているSNSです。電話番号やQRコードなどから友だち追加を行うため、現実で交友関係のあるユーザー同士で利用する傾向があります。
LINEは、ほかのSNSと比較して利用者の年齢層が幅広い点が特徴です。月間ユーザー数は9300万人にものぼり、10代から60代以上まで各年代に偏りなく利用されています。そのため、ほかのSNSを利用していない年齢層にもアプローチが可能です。
LINEで自社アカウントを運営していれば、友だち追加されているユーザーに対して、「トーク」で1対1のコミュニケーションがとれる点も魅力といえます。
出典:LINEキャンパス「LINEのユーザーはどんな人?」
TikTok|若年層の利用が活発
TikTokは、15秒~60秒ほどのショート動画をメインに、投稿や視聴が可能なSNSです。主に利用しているのは10代~20代の若年層で、トレンドの誕生や発信地となりやすいという特徴があります。
流行のダンスを真似した動画を投稿したり、流行の楽曲を使って動画を作成したりするなど、トレンドをつかむことができれば強い拡散力も持ち合わせています。
以上のような特徴から、10代〜20代といった若年層向けの商品・サービスを訴求したい場合に効果的なSNSでしょう。
SNSマーケティングを成功に導く3つのポイント
SNSマーケティングを成功に導くポイントを3つ紹介します。
目的とターゲットを明確にする
SNSマーケティングは、目的とターゲットを明確にしたうえで、実行に移すことが大切です。目的が明確でなければ運用の方向性がずれ、効果的な戦略は生まれにくいといえます。
例えば、「認知度拡大」という目的があれば、SNSアカウントのフォロワーを増やすにはどうすればよいかという戦略に辿り着くでしょう。このように、目的が明確になるだけで、具体的にどのような行動を起こせばよいのかを発見でき、本来の効果を発揮できます。
また、SNSは媒体によって利用している目的や年齢層が異なります。50代以上向けの商品を売りたい場合、若者の利用が中心のInstagramで情報を発信しても、ターゲットである50代以上のユーザーには情報が届きにくいでしょう。
そのため、ターゲットを細かく絞ったうえで、ターゲットが利用しているSNSやターゲットに合わせた情報発信が重要です。
事業や商材に適したSNSを活用する
SNSはそれぞれの特性を持っているため、自社の事業や商材とマッチする特性を持つSNSを活用することが大切です。BtoB商材を扱っているのであれば、ビジネス目的の利用が多いFacebookを活用するとよいでしょう。
また、SNSマーケティングでは複数のSNSを使い分けるという戦略もあります。例えば、インテリアを販売している場合、Facebookでは企業に関する公式情報を発信し、Instagramではユーザーがイメージしやすいよう実際にインテリアを配置した部屋の写真を投稿するといった使い分けができます。
要するに、自社に最適なSNSの選定と特性を活かした使い分けが、SNSマーケティングを成功させるための重要なポイントです。
運用体制を整える
SNSマーケティングを行う際、どのSNSを活用するとしても、効果を最大化させるには定期的な更新が必要です。しかし、ユーザーの興味を惹くコンテンツ作成や最適なターゲティングなど、専門的なノウハウが必要となる部分も出てきます。
また、SNSでは「炎上」というリスクもあります。商品をアピールしたつもりが、捉え方によってはユーザーが不快に感じ、炎上した事例も少なくありません。
したがって、効果的なSNS運用や炎上リスクを回避するためにも、SNSマーケティング専門の担当者を配置するなどして、運用体制を整えることが大切です。
SNSマーケティングの成功事例まとめ
SNSマーケティングは現代に欠かせないマーケティング手法となりつつあります。ブランディング・集客・ファンの育成など、さまざまな効果を得ることができます。すでにSNSマーケティングを実施している企業も多いことから、成功事例を参考に効果的なSNSマーケティングを行いましょう。
SNS以外のマーケティング戦略も考えて実践したいという方は、「マーケティング戦略の効果や立案手順について。効果的なフレームワークや成功事例も」の記事もあわせてお読みください!