1人1台スマホを持っているような現代では、インターネットやSNSの利用が増えたため、Web広告の需要が広がっています。では、Web広告の費用対効果はどの程度あるのでしょうか。本記事では、Web広告の費用対効果や最適なWeb広告の選び方、費用対効果を高めるコツなどを解説していきます。
Web広告の運用方法や仕組みについて詳しく知りたいという方はこちらの記事をあわせて読んでみてください。
Web広告における費用対効果とは?
Web広告における費用対効果とは、Web広告の出稿にかけたコストに対して得られた成果の割合を表す指標のことです。Web広告で得られる成果には以下のように種類があります。
- 商品・サービスの購入
- 問い合わせ
- 資料請求
より少ないコストでより多くの成果を得られると、費用対効果は高くなります。例えば、10万円の広告費をかけて商品が50個売れた場合と、同じ10万円の広告費をかけて商品が100個売れた場合では、後者のほうが費用対効果は高いといえます。
Web広告の費用対効果を計測する方法
Web広告における費用対効果を表す指標としては、主に「CPA(シーピーエー)」「ROAS(ロアース)」の2つが活用されます。
CPAは、1つの成果を獲得するのにかかったコストのことです。CPAは数値が低いほど費用対効果が高く、「CPA=コスト÷成果数」で算出できます。例えば、コストが10万円で商品が50個売れた場合、「100,000(円)÷50(個)=2000」でCPAは2,000円となり、商品が1個売れるのに2,000円のコストがかかったことが分かります。
次に、ROASはコストに対する売上額の割合のことです。ROASは数値が高いほど費用対効果が高く、「ROAS=売上額÷コスト×100(%)」で算出できます。例えば、コストが10万円で売上が30万円だった場合、「300,000(円)÷100,000(円)×100(%)=300」となり、コストに対して300%もの効果があったことが分かります。
このように、Web広告における費用対効果の計測方法は、コンバージョンの種類によって使い分けることが大切です。
Web広告は費用対効果が高い!その理由は…
マス広告といった他の広告媒体に比べ、Web広告は費用対効果が高いといわれており、理由には以下の要因が挙げられます。
- 低コストで始められる
- 豊富な種類から最適な広告を選択できる
- 細かいターゲティングができる
低コストで始められる
Web広告は比較的低予算から始めることができます。例えば、クリック課金の場合、1クリック80円~1,000円程度で広告の出稿が可能です。これだけ低予算であれば、「お試しで広告を出してみよう」といったこともできるでしょう。
広告の種類によっては、「効果が薄い」と感じればすぐに出稿を停止できることもあり、無駄なコストが発生しにくいと、費用対効果が高く感じられる理由のひとつとなっています。マス広告が数百万、数千万かかることからすれば、とても安いと感じる企業は多いのではないでしょうか。
多くの種類から最適な広告を選択できる
Web広告といっても「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」など種類はさまざまで、商品・サービスに合わせた最適な広告を選択できます。
若年層向けの商品であれば、若年層の利用が活発なSNS広告を選択するなど、ターゲットに沿った選択も可能です。このように、自社にとって費用対効果の高い広告を自由に選べるため、Web広告の費用対効果が高いと活用する企業が増えています。
細かいターゲティングができる
Web広告では、ターゲットを細かく絞って広告を配信できます。つまり、ターゲットとなるユーザーにのみ広告を配信できるため、無駄なコストをかける必要がありません。
例えば、30代〜40代女性向けの化粧水の広告を出稿するとします。テレビCMであれば、不特定多数の視聴者に向けて放映されるため、男女問わず30代~40代以外の視聴者もいるでしょう。そのため、興味のないユーザーに対しても、コストをかけていることになります。
しかし、Web広告であれば「30代~40代」「女性」というターゲティングが可能なため、商品に興味を持ちそうなターゲットにのみ、コストをかけられるようになるのです。このように、ターゲットを絞った広告配信ができることから、Web広告は費用対効果が高いといえます。
Web広告の種類とそれぞれの特徴
Web広告には、以下の種類が挙げられます。それぞれのWeb広告について、特徴をみていきましょう。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
- 記事広告
- 動画広告
- 位置情報広告
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果に表示される広告です。ユーザーが検索したキーワードに沿って、関連性の高い広告を表示します。
例えば、ユーザーが「ホームページ制作 外注」と検索した場合、ホームページ制作会社の広告が表示されます。このように、ユーザーがすでに興味を持って検索したキーワードに対して広告を表示できるため、顕在層による成果につながりやすい点が特徴です。
より詳しくリスティング広告について知りたい場合はこちらの記事もあわせてお読みください。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告はバナー広告とも呼ばれ、Yahoo!のトップ画面や各メディアに設けられた広告枠に表示される広告です。テキストだけでなく、画像や動画を用いた広告も出稿できるため、視覚的なアプローチにも向いています。
検索結果画面だけでなく、さまざまなメディアで掲載されるため、ユーザーの目にとまる機会も増えるでしょう。
SNS広告
SNS広告は、Twitter・Instagram・FacebookなどのSNS上に表示される広告です。SNS広告は広告の出稿だけでなく、ユーザーによる2次拡散も期待できるため、費用対効果が高くなりやすいWeb広告といえます。
例えば、Twitterで広告を配信した際、興味をもったユーザーがリツイートすることで、そのユーザーのフォロワーへ拡散されます。このように、各SNSの特性を理解し活用することで、広告以上の効果が期待できるかもしれません。
より詳しくSNS広告について知りたい場合はこちらの記事もあわせてお読みください。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、アフィリエイターに自社の商品・サービスを紹介してもらう形の広告です。アフィリエイターが運営するWebメディア上でひとつの記事のような形で、情報が発信されます。
アフィリエイト広告では、自社の商品・サービスが第三者目線で紹介されるため、ユーザーはより自分と近い目線で情報を得られる点が特徴です。アフィリエイターによっては質の高いコンテンツを発信してくれるため、記事経由での成果獲得が期待できます。
記事広告
記事広告はタイアップ広告とも呼ばれ、外部メディアで自社商品の紹介をした記事を公開してもらう形の広告です。紹介してもらいたい外部メディアにタイアップを依頼することで、記事広告を配信できます。
紹介してもらえるメディアの規模によっては、多くのユーザーに届くため、成果の獲得だけでなく認知拡大といった目的で活用されることもある点が特徴です。
動画広告
動画広告は動画を用いた広告のことで、YouTubeやTikTokなどの動画サイトで配信されます。動画はテキストや画像に比べ一度に多くの情報を届けられるだけでなく、ストーリ仕立てでユーザーを引き寄せたり、共感を得たりすることも可能です。
そのため、商品・サービスを全く知らない潜在層へのアプローチや認知拡大にも効果的といえるでしょう。
位置情報広告
位置情報広告は、地域の特性を活用した「エリアマーケティング」の一種です。ターゲットとするエリアの需要を把握したうえで広告戦略を立てられるため、非常に高い効果が期待できる広告だと言えます。
位置情報広告は実際に店舗に足を運んでもらえる可能性が高いユーザーを集められるため、地域に根付くような店舗ビジネスとの相性が良いでしょう。より詳しい位置情報広告については、下記のサイトで説明されているのであわせて読んでみてください!
(外部参考サイト:エリアマーケティングの必要性|実例を含めたエリアマーケティングの手法とメリット)
自社に適したWeb広告を選定する3つのポイント
さまざまな種類があるWeb広告から、自社に最適な広告を選定するためには、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
目的をもとに選択する
なぜWeb広告を配信するのか、目的を明確にしたうえで最適なWeb広告を選ぶことが大切です。Web広告の配信には「商品・サービスの購入促進」だけでなく、「認知度拡大」「ブランディング」などさまざまな目的が挙げられます。
例えば、認知度拡大を目的とする際にリスティング広告を出稿しても、そもそも認知していないユーザーが特定のキーワードで検索することは不可能なため、広告に辿り着くことはないでしょう。
このように、目的によってWeb広告の種類を見極めなければ、ターゲットとなるユーザーに広告が届かないなど、効果は得られません。そのため、目的を明確化し、目的を達成するためにはどの広告がよいかを検討することが大切です。
ターゲットをもとに選択する
Web広告を見て欲しいターゲットはどのような人か、具体的なターゲット像を想像しながらWeb広告を選定することもポイントです。
例えば、現代における若年層は情報収集する際、検索エンジンよりSNS上で検索を行う傾向があります。そのため、若年層向けの商品・サービスを展開するのであれば、SNS広告をメインに配信するなど、ターゲットに適した広告を配信することが大切です。
このように、ターゲットについて年齢・性別などの属性を具体的に想像し、ターゲットが利用している媒体の広告を選びましょう。
予算をもとに選択する
Web広告には多くの種類があると同時に、かかる費用相場も種類によって異なります。そのため、Web広告にかけられる予算と費用相場を照らし合わせながら、予算に適したWeb広告を選ぶとよいでしょう。
各Web広告の費用相場を以下の表にまとめました。あくまで参考程度の表になりますが、参考にして最適なWeb広告がなにかを検討してみてください。
Web広告の種類 | 費用相場 |
リスティング広告 | 80円~1,000円/1クリック |
ディスプレイ広告 | 50円~100円/1クリック10円~500円/1,000インプレッション |
SNS広告 | 20円~200円/1クリック400円~700円/1,000インプレッション40円~100円/1フォロー |
アフィリエイト広告 | 任意で設定した成果報酬/1コンバージョン |
記事広告 | 50万円~/月※契約期間中は記事の掲載が保証されている |
動画広告 | 10円~/1視聴 |
Web広告の費用対効果を高めるコツ5選
Web広告を出稿する際、ちょっとしたコツを実行することで、費用対効果を高められるかもしれません。Web広告における費用対効果を高めるコツを5つ紹介します。
最適なキーワードを選定する
Web広告、とくにリスティングなどのキーワードベースの費用対効果を高めるには、最適なキーワードを選定することが大切です。例えば、「Web広告 外注」と検索したユーザーに対して、「ホームページ制作できますよ!」という広告を表示しても、コンバージョンにはつなげにくいでしょう。
このように、広告の配信先が適切でなければ、費用対効果は高めにくいといえます。そのため、広告を配信したいユーザーはどのようなキーワードを検索するのかという視点で、最適なキーワードを選定しましょう。
SNS広告等の出稿はキーワードベースではありませんが、需要を考えて発信するという点では、クリエイティブにキーワード入れたり、ターゲットユーザーに刺さるキーワードを考えて文章にするということも共通して大切になるポイントです。
ユーザーの興味を惹く広告文にする
ターゲットに広告が届いたとしても、広告の内容が魅力的でなければコンバージョンにはつながりにくいといえます。化粧水を例に挙げると、以下のようにさまざまな悩みを持ったユーザーが想像できます。
- 肌に優しい化粧水が欲しい
- 保湿力の高い化粧水が欲しい
- 香りのよい化粧水が欲しい
つまり、同じ化粧水であっても、ターゲットに合わせて訴求ポイントを変えることが大切です。Web広告では同じ広告であっても、検索キーワードに応じて表示する広告文を変更できるため、いくつかの広告文を設定し、キーワードに合わせて最適な広告文を表示するようにしましょう。
LP(ランディングページ)の質を高める
広告をクリックすると表示されるLPの質を高めることも、費用対効果に好影響を与えます。広告文に惹かれクリックして移動したページが、テキストだけで簡易的なものであったり、どこから購入すればよいか分からないような導線だと、ユーザーの離脱を招きかねません。
そのため、商品・サービスやターゲットに適したデザインや分かりやすい導線を意識したLPを作成することが大切です。購入ボタンを定期的に設置したり、ポップアップで入力フォームを表示したりするなど、ユーザーの利便性を高められるようなLPにしましょう。
リターゲティング配信を実施する
リターゲティング配信とは、一度自社サイトを訪問したがコンバージョンには至っていないといったユーザーに対して、再度広告を配信することです。
リターゲティング配信では、購入を検討しているユーザーやすでに商品・サービスを認知しているユーザーに広告を表示できるため、購買意欲を促進させ、コンバージョンにつなげやすいという特徴があります。
Web広告を出稿するのであれば、あわせてリターゲティング配信も行い、ユーザーの購買行動をあと押しできるようにしましょう。
ターゲティングの精度を高める
ターゲティングの精度を高めることでも、Web広告の費用対効果を高められます。例えば、化粧品の広告を「女性」に絞って配信するより、「40代女性」と年齢および性別の2つの要素で絞り込んで配信したほうが、無駄なコストが発生しません。
そのため、自社の商品・サービスのターゲットはどのようなユーザーかを再度分析し、ターゲティングの精度を高めましょう。これは一度やったからOKというものではなく、広告の効果を常に見ながら広告をチューニングしていくことが重要になります。
Web広告の費用対効果についてまとめ
Web広告の費用対効果は、他の広告媒体に比べ高いといわれていますが、実際にはWeb広告の種類によって異なります。そのため、自社に最適なWeb広告を選定しつつ、それぞれに適した方法で費用対効果を高めることが大切です。Web広告の費用対効果を高め、売上拡大を目指しましょう。